2009年02月05日

歩道の段差・検証

090205_road1県の道路管理課からの依頼で、横断歩道を渡る際の「歩道の段差」についての検証に立ち会いました。場所は辻堂海浜公園。広い敷地、夏はきっと混むだろうなぁと思いながら、寒さの中での調査でした。

検証の目的は視覚障害者と車椅子利用者それぞれにとっての利便性。我々、車椅子利用者にとっては段差は使いづらいだけなので「無くしてほしい」と考えてしまうのですが、反対に視覚障害者にとっては段差が無くなることで歩道と道路の境界がわかりづらくなるという問題があります。そこで、ここ数年は両方の当事者の意見を聞く機会を作って、お互いにとって使いやすい町づくりを努めているのです。

090205_road2会場には6種類ほど設置してありました。
1.通常の一般国道で使用している2cmの段差。
2.神奈川方式(通常)と呼ばれ、15cm程度の長さで
 凹凸が3ヵ所。その先が5mmの段差。県外からも
 評判で問い合わせが多いそうです。
3.2番と同じで「神奈川方式」ですが、1cmの段差を
 作りました。
4.こちらも神奈川方式プラス誘導ブロック(1枚)追加。
 通常、歩道があり、誘導ブロック、点字ブロック、そして横断歩道となる。
 そこにもう一枚、誘導ブロックを追加し横断時の方向性を確保してみる。
 残念なことに、県外から来た視覚障害者は戸惑うことになるのと、国の基準から
 外れてしまうということで行政としては難しいようです。
5.溝だけの段差。15cmの長さで段差は無し。代わりに溝を掘り、視覚障害者の白い
 杖に引っ掛かるようにした。視覚障害者の評価は厳しかったようです。
6.埼玉県熊谷方式。2cmの段差に対して、車いすのわだち程度のスロープを何カ所か
 設ける。評価はわからず。

午後2時から1時間ほど検証を行った後、会議室で意見交換会を行いました。結果はやはり2番が妥当のようです。どうしても相反するものですから意見が活発になります。ただ、おやっと思ったのは、ここ数年のやり取りの中で、お互いの立場を理解することも出来てきたように感じました。

ちなみに段差外のことですが、横幅のある片側2車線の道路は視覚障害者が横断するには難易度が高いそうです。晴眼者の我々はつい足の裏で情報を得ると考えがちですが、白い杖が頼りということで、溝あるいは段差があると横断しやすいとのこと。そこで「エスコートライン」(誘導路)の確保が必要になってくるのですが… ただ、道路を走行する車のの運転手の乗り心地も課題になってきます。この辺については、横浜国大やライトセンターで研究が行われているそうです。参加者からは「この公園をモデルにしてみては」という意見も出ました。行政の立場の違いはあり苦しい返事でしたが、是非、前向きな検討をお願いします。

ところで最初にも書きましたが… 耐寒訓練を思わせる寒さです!!できれば次回からは秋口に行ってほしいものです。(^^;) こちらも前向きな検討をお願いします。

(by会長)

k_sonet at 23:16│Comments(0)TrackBack(0)clip!活動報告 

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